倣日月四季山水図屏風制作のまとめ
2025年 大阪天野山金剛寺様の所蔵する国宝 日月四季山水図の倣作を 令和7年度 今治市大三島美術館企画展 森山知己 和様に倣う 展で発表させていただくことができました。制作の経緯、また気づきなど。
太陽の描かれた右隻の倣作を2022年に行いました。
2020年8月、縁あって天野山金剛寺の国宝「日月四季山水図屏風」を実見させていただく機会をいただきました。作者不明ながら多くの方々、先人が日本らしい絵画として認めていた絵画です。私も1989年東京国立博物館で開催された<「国華」創刊100周年記念特別展 室町時代の屏風展>で拝見して以来、ずっと気になり好きな絵画でした。2025年2月、左隻の制作をスタートさせました。
屏風は、2022年に制作した折に用いた屏風の対となるものです。
屏風の大きさ、縦横比も実物と違うため、制作に用いる屏風に合わせてニュアンスがなるべく変わらないように構図、描き方を変更した小下図を作成しました。
原寸大の大下図は作らず、小下図をもとに実物の屏風に直接木炭で当たりをとって拡大し写しました。下図作り> 墨描き > 地塗り > 下塗り
ここまでの作業を終えたところで、Webに倣作の記事をアップすることにしました。
「下塗り」などの制作のプロセスについては、「無い」から始める日本画講座 をご参照ください。基本的にこのプロセスで作業を解釈し対応しています。
また、松の形や描法、雪山、滝などの処理などに対する考え方は、以下記事を参照ください。
日本画ってなぁに? ブログでの記事スタート
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その① 3月 17, 2025
左隻制作に至る経緯紹介、また当初、銀箔の硫化を使った表現を試みることを念頭に作業を進めたことなどを紹介。以下、当初構想についての参考資料
参考画像1 空と海に突き出た松の生えたスペースの表現。
当初・空は硫化し黒い状態に。小さな銀色のドットを残し、星空表現を構想した。
銀色に残すドットの大きさについては要再考。
この他、月の表現について、箔の厚みによる銀色の違いなどの資料
霧吹きにドーサ液を入れてドットを作成
*大三島美術館 和様に倣う 展で資料展示
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その② 3月 23, 2025
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その③ 3月 30, 2025
銀泥を使った波線の描画。銀箔硫化表現についての再考。
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その④ 4月 08, 2025
波に金泥の片暈し。銀箔の砂子表現。
銀箔硫化表現を行わないことを決定。
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その⑤ 4月 10, 2025
「日月山水図屏風」左隻の倣作 その⑥ 4月 18, 2025
岩絵具を焼く作業、上塗り
盛り上げ絵の具の効果。
細部の描き込みをすすめる。
屏風形状への関心。銀箔の重ねについて。
倣うことの意味。
屏風は体験を創り出す装置。
大三島美術館での展覧会での展示について。
照明と屏風の見え方、形状について。
夜の特別感紹介の様子から照明と屏風の見え方。
体験を作り出す装置としての屏風。
参考YouTube・夜の特別鑑賞会動画
参考YouTube・「和様に倣う」展 制作映像
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