倣日月四季山水図屏風
先日撮影した画像が上がって来ました。「倣日月四季山水図屏風」です。ディスプレイ上で一双として並べてみました。
ご縁をいただき、大阪、天野山金剛寺様の国宝「日月四季山水図屏風」を実見させていただいたのは、2020年8月のことでした。2022年に右隻を倣作し、そして今年2025年に左隻を行い、やっと一双とすることが出来ました。時をおいて一隻づつ仕上げたからこその気付きもあったように思います。銀箔の厚みに関すること、その下塗りについて。もちろん銀箔自体の扱いについても。波の線の描画材料、表現ももちろんです。左隻を描いたことで、右隻についてもまた再考する機会となりました。太陽の背景となる空の銀箔表現について、また波の線表現についてです。
2011年から2012年にかけて行った熱海MOA美術館所蔵の尾形光琳作 「国宝 紅白梅図屏風」の倣作です。こちらも縁をいただいたことがスタートでした。最初は単純な技術的興味からでしたが、本物を間近で見る機会をいただき、その制作を行うことで、私自身のテーマである「日本画ってなぁに?」に結びつきました。
これらの経験は、「私淑」すること、「倣作」という学び方について考える機会となりました。またそれは日本文化のあり方、また「伝統」について考えることにもつながったように思います。
2011年制作 絹本 六曲一隻「海中図」
2014年制作 紙本 六曲一隻「白象図」
2018年制作 紙本 二曲一隻 「緋鯉図屏風」
箔を使った制作、上記すべてこの秋の大三島美術館での個展に展示していただける予定です。このほかにも箔の実験資料なども並べてくださるとのことです。ご紹介まで。
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