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美作三湯 芸術温度 2025 に作品展示

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美作三湯 芸術温度 が開催されます。3年に一度開催されているイベントです。 会期: 8月29日から12月7日 今回は、 奥津温泉・奥津荘 を担当させていただきます。水の記憶シリーズを展示する予定です。ちょうどこの芸術温度会期中には、すでにお知らせしている美術館2つでの個展が開催予定です。 ①岡山県倉敷市美観地区 森山知己個展(仮題) 会場:きび美ミュージアム 〒710-0046岡山県倉敷市中央1丁目4-22 「くらしき宵待ちGARDEN 」内 休館日:月、火曜日(祝日の場合は振替) 会期:2025年10月10日(金)から 11月9日(日)まで ★倉敷屏風まつり会期中(10月18日午後)会場トークを予定。 ②愛媛県今治市大三島  しまなみ海道 森山知己 日本画展(仮題) 会場:今治市大三島美術館 会期:2025年10月4日(土)から12月7日(日)まで    休館日 毎週月曜日 祝日の場合は原則翌日振替 ★森山の作品解説 2025年11月8日(土)午後予定 ★照明をコントロールして屏風を体験する特別なイベントを・・・ ご案内まで

倣日月四季山水図屏風

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 先日撮影した画像が上がって来ました。「倣日月四季山水図屏風」です。ディスプレイ上で一双として並べてみました。  ご縁をいただき、大阪、天野山金剛寺様の国宝「日月四季山水図屏風」を実見させていただいたのは、2020年8月のことでした。2022年に右隻を倣作し、そして今年2025年に左隻を行い、やっと一双とすることが出来ました。時をおいて一隻づつ仕上げたからこその気付きもあったように思います。銀箔の厚みに関すること、その下塗りについて。もちろん銀箔自体の扱いについても。波の線の描画材料、表現ももちろんです。左隻を描いたことで、右隻についてもまた再考する機会となりました。太陽の背景となる空の銀箔表現について、また波の線表現についてです。   日月山水図屏風 左隻の倣作 全10回のレポート記事  2011年から2012年にかけて行った熱海MOA美術館所蔵の尾形光琳作 「国宝 紅白梅図屏風」の倣作です。こちらも縁をいただいたことがスタートでした。最初は単純な技術的興味からでしたが、本物を間近で見る機会をいただき、その制作を行うことで、私自身のテーマである「日本画ってなぁに?」に結びつきました。   国宝 尾形光琳作 紅白梅図屏風の描法再現 記録 まとめ  これらの経験は、「私淑」すること、「倣作」という学び方について考える機会となりました。またそれは日本文化のあり方、また「伝統」について考えることにもつながったように思います。 2011年制作 絹本 六曲一隻「海中図」 2014年制作 紙本 六曲一隻「白象図」 2018年制作 紙本 二曲一隻 「緋鯉図屏風」 箔を使った制作、上記すべてこの秋の大三島美術館での個展に展示していただける予定です。このほかにも箔の実験資料なども並べてくださるとのことです。ご紹介まで。

スタジオでの作品撮影

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 制作した「日月四季山水図」左隻の倣作、仮の縁を外し、裏布を新たに貼り、オゼに装飾紙を貼って丁番を仕上げ、漆塗りの縁を打ち付け、装飾金具を付けて仕上げる表具師(小村芳潤堂さん)の作業が終わりました。そして、昨日はスタジオに持ち込んでの写真撮影でした。  屏風の仕上げでは、当たり前のように3年前に制作した右隻と同じ仕上げをと求めたのですが、この3年の間にその縁を作っていた工房は廃業したとのことで手に入らず、できるだけ同様のものをと、材料問屋の方(白神紙商店さん)にいろいろと手を尽くしていただくことになりました。結局、縁の漆塗りは京都でとなったそうです。意識していたはずなのに、今回のことは改めて表具の置かれた状況を実感することになりました。 我が家のアトリエから運び出し、仕上がった状態で久々に見る倣作・左隻の様子です。先日の大阪市立美術館での 国宝展 に出向いて確認出来たことを思いながら見直す事になりました。大きさも違えば、もちろん構図も違います。現状では黒く見える空など、おそらく銀箔が用いられていたであろう箇所には真新しい銀箔の輝きがあります。果たして本当にこの様であったかどうかは正直わかりません。一双にしての 展示 、どのように見えるのかを楽しみにしたいと思います。 「日月四季山水図」屏風・左隻の倣作に続いて取り組んだ 秋の展覧会 「きび美ミュージアム」出品予定の「水の記憶」シリーズの六曲一隻屏風です。今回は墨による制作です。こちらも屏風としての仕上げも終わり、撮影となりました。(画像はアトリエで制作途中の様子です) 撮影は日頃からいろいろとお世話になっている「べあもん」さんです。絹や和紙の素材感、箔を印刷物でどのように見せるかは、撮影が大きく関わってきます。 プロとして撮影全般、絵画や工芸品だけではなく、モデル・商材カタログの撮影などもされており、撮影時には撮影という仕事について教えていただくことも多いのです。もちろん昨今のテクノロジー、AIの利用についてや、もちろん機材の話もします。 誰もが持つスマートフォン、カメラはもれなく付いてきます。バズるという言葉が何を意味するのか、確かに評価されることに違いないでしょうし、それを求めることは、それぞれの向上心に繋がるような気もしますが、好き嫌いだけではなく、良し悪しといった視点もあったら良いなーという...

美術運送という仕事

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 日本画と呼ばれる絵画について紹介する中で、屏風や掛け軸といった絵画と一体となる「形」にも触れてきました。昭和なら「屏風」は無理でも「掛け軸」はある程度身近な存在だったように思います。それでも、掛け軸の取り扱いについて、不安なく行えたという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?。家の形、住環境も変わり、現在では、「触ったことはない」「触るのも怖い」という方々が多いように思います。 美術展では、これら掛け軸、巻物、扁額と呼ばれるもの。また額装された作品や彫刻、資料類などに加え、最近ではオブジェなどの作品むき出しのものも増えました。それらを収蔵庫はもとより、作品の借用先などから安全に運び、そして展示作業、そして返却までが一連の美術運送の仕事となっています。 作品梱包の様子です。作品の安全が一番、梱包資材にも独自の工夫があります。 また、こうした作業では事前の作品の調査・状態チェックも欠かせません。下記画像は、学芸員による輸送前の作品調査の様子です。絵の具の剥落の危険性なども含め、気になる箇所など、詳細なレポートを作ります。 巨大な屏風、立体作品などでは、その作品輸送専用の箱を作成することがあります。木製であったり、段ボール製だったり。下記は現場で専用箱を作成している様子です。 作品サイズに梱包のための資材(クッション)分も含めた必要な最終寸法を加味した箱制作が現場で手際よく行われました。 紐のかけ方も美しい。 掛け軸の確認の様子 掛け軸の扱い 掛け方 巻物の扱いの様子 作品に加えて、共箱と呼ばれるものがあります。特に工芸などでは、作品自体はもちろんですが、その由来が重要な意味を持つことがあります。重要な情報が書かれたそれ、ある場合には作品の意味、大切さを箱の作りで現していたりすることもこの国の文化の姿です。 昔、海外の美術館、博物館では、残念ながら捨てられてしまった事象があったと聞きます。箱書きといったものに対する注目も重要なのです。 貴重な美術品を運びます。学芸員の方の同乗も考慮された美術運送 配送用トラックです。 固定のための仕組み、空調も完備しています。 今回、紹介したのは、2024年1月に倉敷芸術科学大学で行われた博物館学特論での特別な授業の様子を見学・取材させていただいたものです。 授業 博物館学特論   教員 華鴒大塚美術館 三宅 利枝学芸員 講師:...

日本 国宝展 大阪・関西万博開催記念

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  大阪!、万博もあるし、きっと混んでいるだろうなーーーーーーと、なんとなく出かけるのがおっくうになっていたのですが、なんと!!つい先日まで倣作に取り組んでいた(このサイトで 制作レポート を上げています)大阪 金剛寺様の日月四季山水図屏風が展示されていると聞いてこれは行かねば!!と急遽、大阪まで出かけてきました。会場は大阪市立美術館、リニューアルされて初めての訪問です。 エントランス、展示室もきれいになっています。平日は予約がなくても入ることができました。期間中の展示替えもあって、本日一回でリストされているすべてを見ることはできないのですが、お目当ての日月四季山水図屏風は、混雑の中(画像は人物がフレームになるべく入らないように撮影しています)では有りましたが、不思議とじっくりとゆったりと見る事ができました。 以下、感想・覚え書き。 第1会場: Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 1 日本美術の巨匠たち 雪舟の山水長巻、天橋立図、慧可断臂図 3つの国宝が並びます。どれも墨色が年月を経たモノとは思えないほど美しく見えました。慧可断臂図、いつにもまして奥行きの深さを感じました。続いて、狩野永徳 常信の 唐獅子図屏風 六曲一双 昨年レプリカをじっくり見ましたが、やはり!!本物は違いました。何が違うのかについてじっくり見てきました^^;。迫力のある画面ですが、繊細、精緻な筆使いということを改めて思いました。違うのはやはり表現のダイナミックレンジといえばよいのか、絵師の込めた時間表現、緩急は、レプリカにはまだまだ難しいところがあるように思いました。京都・智積院の長谷川等伯の襖絵、ちょうど展示されていたのは楓図(6月1日まで)でした。これはもっと鮮やかな色合を期待していたのですが、すこし色の鈍さを感じてしまいました。保存のための絵の具押さえなども関係しているかもしれないと思いましたが、これは個人的な感想です。出来上がった当時はさぞ色は生き生きとして素晴らしいものだったと思います。婦女遊楽図屏風(松浦屏風)金箔といい、色の乗り具合といいとても状態の良いものでした。俵屋宗達の蓮池水禽図、好きな作品です。何度も見たことがある絵ですが、全体から受ける柔らかさ、階調の滑らかさ、空間の気配といったものを改めて感じました。どうしても手軽に見ることのできるネット上の画像や印刷物に目が...

水の記憶 制作について 展示予定

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 久々に絹本による制作を行っています。80号Fサイズ(幅145.5cm✕縦112.0cm)あります。また昔通り、絹枠に張っての制作ですので、表具の段階で絹に縮が出ることも考慮して、最終寸法の80Fサイズになるように一回り大きな枠での制作を行っています。使っている絹は、昔、縁あって手に入れることができた4尺幅のもの、使われている糸も太く、荒い目、硬い撚りのものです。 画像は、絹が水分を含むことによってたわみ、床面についてしまうことを回避するために空中に浮かせて乾燥を行っている様子です。 「水の記憶シリーズ」の制作については、ホームページに解説のページもありますが、あらためてこの取り組みについて紹介したいと思います。 先日来、このサイトで取り組みを紹介してきた「日月四季山水図屏風」のような古典的手法による倣作、もしくは制作は、私自身の、日本画と呼ばれる絵画とはいったいどんな絵画なのだろうという問いについて、私が惹かれる、もしくは憧れる何かを実作することで、その私が感じた何かの意味、在処を確かめようとするものです。加えて今に生きる制作者として、はなはだ微力ではありますが、それらが未来に向けて、興味をもった誰もが望めば体験、使用ができるような共有に向けた取り組みになればとこうして紹介をしています。 これまで使われてきた和紙や絹などの支持体、筆や刷毛などの道具、絵の具や膠といった存在、また表具といったいわば一体の環境といえるようなものまで含めて、出会うことが出来た素晴らしいと私が感じたこと、この国の文化の一部、特別だと思ったことなどを言葉にしたいと取り組んでいます。 絹は、基本的に絹枠に張って描きます。 必要な大きさの木枠(完成時に西洋絵画の基準サイズ、パネル寸法に合わせる場合、絹の収縮を考慮して布の縦方向により余裕をもたせた内寸にして枠を制作します)を作り、その枠に糊を付け、絹を貼り付けます。紹介している大きさだと、4尺幅の絹を横使いで張っています。結果、横方向により余裕をもたせた枠を制作しています。 上記画像は、絹枠に張った絹全体に水を塗っているところです。枠に張った絹にはドーサ液を前もって塗り、乾燥させています。ドーサ液を塗ることにより、このあと使う墨や絵の具が安定に絹に定着するようになります。 画像で何故水を塗っているのかといえば、画面全体を湿らせ、これから塗...

「日月山水図屏風」左隻の倣作⑩最終回 展示予定

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 中央下部にある岩礁を描きこみました。描くことで、改めてこの時代の中国絵画的な表現を強く感じることになりました。これも今回の収穫の一つです。 海の表現、波頭、波の描き方など、公開されている科学調査(東京文化財研究所 真言宗御室派大本山 天野山金剛寺所蔵 国宝 日月四季山水図 光学調査報告書)による銀泥と金泥によって実際に描いてみることで、今回、その仕上がりの品の良さといったものを実感することになりました。また盛り上げ絵の具の上に銀箔による表現、銀砂子なども同様です。 光がどちらの方向から来るのかによって月が現れたり、消えたり。また空の銀箔が、夜の空間に見えたり、そうではなくなったり。月のみに鉛白の下塗りがあることによる大きな見え方の違い。今回結果的にそのように見えたことは大きな収穫でした。同時に銀箔による陸地の表現も月に照らされ輝く砂浜に見えると同時に海が一段暗く見え、いかにも夜の海らしく感じたり。波頭に貼ってある銀箔の光の反射についても、盛り上げ絵の具の上に貼ってあるからこそ多様な方向からの光を反射するのだと納得したり。 500年が経過した現在眼にすることが出来る屏風のそっくりなコピーを作ることが描く目的ではありません。この絵画の持つ魅力、人を引き付ける引力のようなものへ至る秘密を描くことで見つけ出したい、実感したいというのが偽らざる気持ちです。 絵描きとして、実際に描くことで知ること、得られること。「倣作」の意味についてを今回改めて確認する作業となりました。以前、幸運から行うことが出来た尾形光琳の紅白梅図屏風の倣作のおりに出会えたことを今回は意識的に行えたのです。琳派!に見られるような、私淑という継承が有り得るのだと。 絵の具の扱い、塗り方などは、ある意味で狩野派であったり、土佐派に包含されるものでしょう。ことさら特別のことでは有りません。何に「絵描きとして」共感しているのか。あえて言うなら、それは「この国の持っている豊かさへの共感」といったものではないかということなのです。 金雲も金箔を貼った後、最終的に金泥で照り押さえをしました。光の反射が一段押さえられ、水の流れ、波頭に使用した銀箔がより効果的に見える様に思いました。 日月四季山水図屏風 左隻の倣作作業レポートは、今回が最終回です。このあと、この屏風は表具師の方にお願いして、表の本紙に描くことで生じ...