日本 国宝展 大阪・関西万博開催記念
大阪!、万博もあるし、きっと混んでいるだろうなーーーーーーと、なんとなく出かけるのがおっくうになっていたのですが、なんと!!つい先日まで倣作に取り組んでいた(このサイトで制作レポートを上げています)大阪 金剛寺様の日月四季山水図屏風が展示されていると聞いてこれは行かねば!!と急遽、大阪まで出かけてきました。会場は大阪市立美術館、リニューアルされて初めての訪問です。
エントランス、展示室もきれいになっています。平日は予約がなくても入ることができました。期間中の展示替えもあって、本日一回でリストされているすべてを見ることはできないのですが、お目当ての日月四季山水図屏風は、混雑の中(画像は人物がフレームになるべく入らないように撮影しています)では有りましたが、不思議とじっくりとゆったりと見る事ができました。
以下、感想・覚え書き。
第1会場:
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 1 日本美術の巨匠たち
雪舟の山水長巻、天橋立図、慧可断臂図 3つの国宝が並びます。どれも墨色が年月を経たモノとは思えないほど美しく見えました。慧可断臂図、いつにもまして奥行きの深さを感じました。続いて、狩野永徳 常信の 唐獅子図屏風 六曲一双 昨年レプリカをじっくり見ましたが、やはり!!本物は違いました。何が違うのかについてじっくり見てきました^^;。迫力のある画面ですが、繊細、精緻な筆使いということを改めて思いました。違うのはやはり表現のダイナミックレンジといえばよいのか、絵師の込めた時間表現、緩急は、レプリカにはまだまだ難しいところがあるように思いました。京都・智積院の長谷川等伯の襖絵、ちょうど展示されていたのは楓図(6月1日まで)でした。これはもっと鮮やかな色合を期待していたのですが、すこし色の鈍さを感じてしまいました。保存のための絵の具押さえなども関係しているかもしれないと思いましたが、これは個人的な感想です。出来上がった当時はさぞ色は生き生きとして素晴らしいものだったと思います。婦女遊楽図屏風(松浦屏風)金箔といい、色の乗り具合といいとても状態の良いものでした。俵屋宗達の蓮池水禽図、好きな作品です。何度も見たことがある絵ですが、全体から受ける柔らかさ、階調の滑らかさ、空間の気配といったものを改めて感じました。どうしても手軽に見ることのできるネット上の画像や印刷物に目が慣れてしまい、こうした機会にリセットできるのはありがたい限り(逆にこうした機会が是非とも必要と思うのです)。残念ながら、根津美術館の尾形光琳作 燕子花図屏風は、来週からの展示でした。(展覧会終盤・・・きっと混むことでしょう・・・)
このほか、八ツ橋蒔絵螺鈿硯箱 東京国立博物館、色絵雉香炉 石川県立美術館所蔵、昔、見たことがあるある・・・
紹介したすべて国宝!!です。
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 2 いにしえ文化きらきらし
土器、土偶、馬具、衣ほかほか・・・・繊細で神経の入った造形・・・こちらもすべて国宝
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 3 祈りのかたち
仏像、仏画、経・・・・悪いはずがない!!!!上品であるということを改めて思いました。
絵因果経に随身庭騎絵巻 学生時代に模写した経験、、、あのとき実物を見ることができていたなら・・・と、思ってみたり。今だからこそ、気づくことが有りました。どれも抑制が効いており、過剰ではないということ。
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 4 優雅なる日本の書
書について本を読んでいたところ・・・毛筆という道具でできること、そしてその使い方を超一流の品々で再確認。
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 5 和と漢
宮女図ほか
Ⅰ ニッポンの国宝−美の歴史をたどる 6 サムライ・アート
鎧、太刀・・・
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というわけで、第一会場:だけで今日、見ることができた国宝は、62点!!・・フーッ!
そして、お目当ての金剛寺様の日月四季山水図屏風は、
Ⅱ おおさかゆかりの国宝 − 大阪の歴史と文化
に展示されていました。感想としては、やはり見る場所によって見え方も変わるということです。金剛寺様で熟覧させていただいたときとはかなり異なって見えました。砂子の細かさの違い、連なる山並みの間にある木立の表現、葉の描き方、絵の具の乗りの違いなど描いたからこそ見えてきたこともありました。一方、松の幹など、熟覧できたからこそ表現できたことも有りました。倣作、私の理解、今に生きる感覚での翻訳のようなものでしょうか。秋の展覧会会場で、さて、皆様の目にどのように映るでしょうか・・・。個人的な気持ちとしては、この記憶が薄れないうちに早く並べて確認してみたい!!そんな気持ちです。
この Ⅱ おおさかゆかりの国宝だけで、今日見ることのできた国宝は22点!。
あと、皇居三の丸尚蔵館の収蔵品の展示もあり、盛りだくさん。 疲れました^^;。
岡山県立博物館所蔵の鎧も展示されていました^^;。あと大原美術館で見たことのある中国絵画も。
秋の個展までに、日本画を描くこと、理解についての本を作ろうと思って作業中です。今回の国宝体験もまたその手がかり。
以下もすべて 6月15日まで
奈良国立博物館会館130周年記念 超国宝 いのりのかがやき
京都国立博物館 大阪・関西万博開催記念 日本、美のるつぼ
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