和様に倣う 森山知己 今治市大三島美術館 個展情報


 10月4日(土)から12月7日(日)までの会期 今治市大三島美術館で個展を開催していただきます。題して 「森山知己 和様に倣う」展です。これまで取り組んできた私の日本画を探す試みや制作。古いと言われた技術や様式を実際に試して描いてきました。その中で和紙や絹などの材料や素材に関すること、また筆や刷毛といった道具、もちろん墨や絵の具、膠など、加えてそれらをどのように使うかといった技術、もちろん表具も!これらの中にあるこの国の価値観と出会うことになりました。それぞれワクワクする体験となりました。


上記は展示途中の様子です。ゆったりと大きな空間での展示、倣作もあり、様式は様々です。室町から江戸、そして現代まで。屏風という形式で見せること、平面としてだけではなく、立体としての展示ももちろんあります。

現代に生きる私が使う 金や銀、天然の絵の具、昔から使われてきたと思われる材料や技術の使用によって制作されたそれぞれ、見て下さる方々にどのように届くでしょうか。

ガラス・アクリル無しで直接見ることができる展示も多くあります。これらは、金銀箔、天然絵具の色や質感、水の時間、私の手の痕跡、身体の動きの記録でもあります。尾形光琳や室町の絵師の「手・身体」と、私の何が違うのか。倣う行為は時間に関する捉え方、考え方、それぞれの身体の違いを知ることになるのです(そんなことに出会わせてもらったと考えています)。もちろん当時の美意識のあり方についても。


また、倉敷市帯江の不洗観音寺客殿様の襖絵 瀬戸内春望図 も、一面として展示していただいています。客殿の中で見るのとはまた違った姿として見ることが出来ます。

この他、山陽新聞社様から「醍醐桜」 「瀬戸内残春」をお借りして展示しています。発表当時の企画事業、「吉備悠久」の実際の新聞もご覧いただけるよう準備しました。

「海中図」、「松」、この他、大三島美術館所蔵の作品(当初、展示予定でなかったものも追加展示されています−残念ながらこの作品は図録掲載がありません) 展示、この他展示ケースを使った硫化実験、伊藤若冲の筋目描き倣作、酒井抱一の倣作など指導に用いた資料、またモニターでは、制作動画紹介(尾形光琳の紅白梅図倣作、日月四季山水図倣作、最初に紹介している白象図制作)などもあります。

会場は、今どきですので、撮影可・インスタで上げる場合は、美術館指定のハッシュタグをとのルールでとのこと。よろしくお願いいたします。

11月8日のギャラリートークでは、技法材料、技術についてなど、いろいろ喋る予定です。もちろん質問にも答えられたらと思っています。同日、閉館後の夜の特別鑑賞会(美術館前にキッチンカーが来ます^^;)では、館内の照明を一部消して、光源の方向が変わると屏風作品がどんな見え方になるのかなど、ここでしか出来ない実験を行う予定!。乞うご期待です(私も楽しみです)。

大勢の方にご覧いただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

コメント

このブログの人気の投稿

「日月山水図屏風」左隻の倣作⑩最終回 展示予定

作家の手業VR制作

「日月山水図屏風」左隻の倣作 その①