レプリカについてを考えてみた①
俵屋宗達の雲龍図屏風!、私の好きな絵です。たしか・・アメリカにあるはずなのに・・・・・。加えて出来たらいいなーと個人的に思っていた松島図屏風比べ、俵屋宗達の松島図屏風に尾形光琳の松島図屏風!!が並んでいます。このほか、長谷川等伯の松林図屏風に、宗達の風神雷神図屏風。この他にも、おおっ!!という絵が一同に並んでいます。
9月13日から岡山シティーミュージアムで国宝・名宝!?展が開催されました。?がタイトルに付いているようにこれらはレプリカです。レプリカと聞くとがっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。確かに本物には遠い何かがまだまだあります。それでも大きさは同じ。立派な屏風仕立てでの展示です。
テクノロジーの進歩!、科学技術も出来ることをどんどん増やしているのです。今回、カメラや、プリンターの出入力機器の解像度の向上がどんなことを実現するのか、その一端を見せてもらったように思いました。マニアックな話ですが、支持体の紙がドーサ抜けした墨の染み込みの様子や筆の動き速度の変化、たらしこみの濃度変化表現など、驚くような進歩をしていました(10年近く前になりますが、この取り組みを拝見したことがあったのです)。そのおり、驚かされた金箔を貼る技術!、プリントアウトに本物の金箔が貼られることで驚くほどの効果を上げていました。その時から箔を用いたものにはそれなりに期待をしていましたが、それ以外も大きな変化を遂げていたのです。
綴プロジェクトの取組み、成果が並びました。10年近く前、この取り組みを京都で見た折、インクジェット出力そのままについてはまだまだと思ったものの、それに加えて伝統工芸士による金箔が貼られた姿、加わった姿には驚かされました。凄い可能性を感じたのす。・・・それでも、絵描きの私としては、もっと人間に投資して、人間による模写をもっとやってほしいものと思いました。そうすることで、素材や道具、技術の伝承、人間を育てることが大切と思ったのです。
あれから十年!!!テクノロジはどんどん進歩していました。
科学を使って本物にどうしたら近づくことが出来るのかは、それに関わる「人間」が熱意をもって本物が持っている「何か」を、可能な限り言語化し、出来ることを増やして来た結果だと思うからです。
それは、人間による模写も同じです。
すごく大切なこととあらためて実感させてもらいました。
というわけで、箔を使った再現に加えて、用紙の開発(縁のあるところが関わっていましたが・・・公開してはいけないのかも???)尾形光琳の群鶴図屏風、人間による補彩は一切ないとのこと(関係する偉い方に直接お聞きすることが出来ました!!)、インクジェットのハズなのに、この首の白さは???銀箔の部分はちょっと残念な質感ではありますが、驚きました。用紙の開発、下地プロセスを増やしているのだそうです。
このほか、岡山県立美術館での建仁寺展で一度見たことのある俵屋宗達の風神雷神図屏風は、その折のものとは違い、新しいバージョンになっていました。全部で15点、もう少し!こうなっていればと思う要素もなくはありませんでしたが、こうした作品に興味のある方なら、見て残念とは思わない出来でした(レプリカを制作した順、制作年の古い新しいでも差(解像度などの技術差)があるとのことでした)!!あくまで森山個人の感想です^^;。
松島図屏風比べについては、誰かが 「見たい」とリクエストしたとかしないとか・・・。また多く伝統工芸士の方の作業!、金泥も加わっていました!!。
すべて写真撮影可の展覧会。個人的にアップの画像資料も出来た楽しめる展覧会でした。
FBで紹介したこともあって、それなりに興味を持っていただけた方もおられたように思います。レスポンスの書き込みも色々とあって私も改めて考える機会になりました。
画像は岡山シティーミュージアム「国宝・名宝!?展」より
②に続きます。
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